ロンドンに一人で海外旅行に行った時のことです。英語は得意な方だったのですが全く英会話をしたことがなく、ほとんど喋れない状況で一人異国の土地に行きました。
知り合いもいないし、もともと積極的に話しかけるようなタイプでもないので、旅行中はずっと誰とも話さずに過ごしていました。
ですがある日、母親にお土産を買うために老舗の紅茶屋に出かけて商品を見ていたら、老紳士の上品そうな店員さんに話しかけられました。
おそらく私が何もわからずキョロキョロと辺りを見渡していたからだと思うのですが、色々と商品の説明をしてくれました。
説明が終わると私の元を離れて、少し離れたところに佇んでいました。海外って押し売りとかがすごいと思っていたので、その店員さんの対応には感銘を受けました。
彼の優しさを知って、探すことのできない商品について思い切って自分から話しかけてみると快く返事をしてくれて、
その商品は今は売っていないこと、代わりにこの商品がある、と説明してくれました。
私は笑顔で店を出て、喜びで心がいっぱいになりました。私にとって初めて自分から行動して行われた英会話だったのです。
それ以来私は日本に帰ってからも自分から積極的に英会話をすることができるようになりました。ロンドンでの店員さんとの会話は、今でも私にとって大切な瞬間です。